沼木まちづくり協議会

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沼木の歴史

昭和43年発刊の「伊勢市史」より

旧沼木村について

「一宇郷と沼木村」
旧沼木村の中、神薗・円座・上野の3区は古来神領沼木郷に属し、横輪・下村・菖蒲・上村・床の木の5区は「一宇郷」とか「覆盆子(いちご)谷」の名で呼ばれていたのが、明治22年、町村制の実施で村名を現在の沼木村として総括されたところである。古くは現在の中島・二俣・宮後・田中中世古(本町)を含む沼木郷の地域と、南西にわたる一帯の山間地で、宮川の支流をはさんで、池沼が樹林の間に散見する複雑な集落を形成していたので、沼木の名が生まれたものと思われる。
光明寺文書(光明寺所蔵、安貞2年正月の文書)には、度会郡沼木郷上山蟠村など呼ばれたことが記されている。この地域は神領沼木郷の一部で、他の神領と同じく守護不入の地であった。興国年代(1340~1341)に、北畠顕能が、伊勢の国司となったが、正平年間(1346~1349)、仁木義長が神封を冒して守護職を置いたこともあった。
明徳3年(1392)、北畠顕泰が国司に任ぜられ、代々北畠氏が管轄したが、北畠氏の滅亡後は、国司を廃して、神薗・円座・上野の3区は蒲生氏郷、牧村利貞、稲葉蔵人、藤堂高虎らがこの地を領したこともあった。後、徳川頼宣の采領するようになり、以来、和歌山藩田丸代官所の管轄に属して円座組に編入し、明治元年7月、度会府下、和歌山藩庁、田丸民政局の所管となった。さらに同2年7月、度会県の管轄下に入り、明治4年の廃藩置県に至るのである。
一方、一宇郷の地域、横輪・下村・菖蒲・上村・床の木の5区は幕府領に属して、四日市代官、また、信楽代官所の支配下にあったが、明治4年7月の廃藩置県で、神薗ほか2区とともに度会県の管轄下に入ることとなった。明治5年、この地域は、度会県の第16区12小区に属して戸長役場を置いたが、同9年4月には、度会県を廃して三重県管轄に移され、同11年3月、さらに区制の改革があって、三重県第16連区山田組に属することとなり、同12年の郡区改正によって、一宇郷地区と、神薗ほか2区をそれぞれ1区域として各戸長役場を置いて、明治22年の統一まで続いたのである。

「沼木村の風土、文化」
明治22年町村制を実施して沼木村となり、村長以下の役職をおいて村行政の基礎を整備した。この旧沼木地域は、人口に山間地域を含む面積は 33.15 平方キロメートルと、新しく併合した地域中の首位を占めている。山間地で近年まで交通も不十分であった反面、古い地方文化は素直に温存されて現在に至っている。
たとえば、隣村の佐八とともに、津村・円座などには、念仏おどりとしての「羯鼓踊り(かんこおどり)」は、県の文化財指定となって現存し、円座のそれは一時中絶したものを、有志によって復興したものである。この羯鼓踊りの縁起その他についてここでは省くが、その他、現存する神社・寺院の中にも古い伝承を有するものが多い。ことに、菖蒲村に在る久昌寺は、文治元年の創建といわれ、本尊の阿弥陀如来は有名であり、この地域を背景に伊勢平氏の伝承をもって知られている。
さらに、赤井神社、鷲嶺などの名は、古くから一般に親しまれ、横輪川・菖蒲川に沿う集落には、江戸時代の歌舞伎を伝習して今に伝えている。
昭和30年4月、村民の総意によって伊勢市と合併したが、この地方住民の産業への関心は深く、農・山業関係の協同組合の活動は活発で、少壮年令者が推進力となって、果樹の植栽を初め、集約的な近代農山地域としての新しい生業開発に活発な活動を展開して、伊勢市の特殊地域となっていたが、その後団地化され、いせ上野台となった。

平成の大合併による新伊勢市誕生と「沼木まちづくり協議会」設立へ

旧の伊勢市、二見町、小俣町、御薗村が平成17年11月1日に合併し、新しい伊勢市が誕生しました。
合併により、行政のエリアが拡大すると共に、少子高齢化・人口減少の時代に対応するため、地域の課題は地域で解決しようという地域内分権の取り組みが検討され始めました。
平成19年度に開催された「ふるさと未来づくり~市長との意見交換会~」(平成 20 年 2 月 23 日)を受け、沼木地区内の8つの自治会長の会である沼木地区連絡協議会において、取り組みの検討を始めることが確認されました。
平成20年度には、沼木地区連絡協議会として市の方針に沿う形で協議を重ね、平成21年2月から3月にかけ「ふるさと未来づくり」についての説明会を全自治会で実施しました。平成20年度の沼木地区連絡協議会のメンバーは、沼木地区において「ふるさと未来づくり」を推進していくため、平成21年度の同協議会の取り組みに対して協力していくことを確認し、平成21年度は新旧合同の沼木地区連絡協議会を結成し、取り組みを推進しました。
平成21年度においては、新旧の協議会において、設立準備会の設立のための協議を行い、平成21年10月から11月にかけ、自治会役員を対象とした説明会を全自治会で実施し、平成21年12月20日に「沼木まちづくり協議会設立準備会」が発足しました。
平成22年3月までの間に、準備会を7回、沼木地区住民を対象とした講演会を実施、準備会広報を3回発行しました。
その結果、平成22年4月16日に伊勢市で3番目のモデル地区として「沼木まちづくり協議会」が設立されました。

沼木地域の人口(令和2年3月末現在)

町名 世帯数
上野町 531 590 1,121 485
円座町 255 260 515 224
神薗町 49 49 98 42
横輪町 24 44 76 44
矢持町 32 44 76 44
沼木支所計 891 987 1,878 835

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